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松戸市稔台地区に突然として、オウム真理教の信者が転入し、オウムの給食センターともいうべき食料工場を開設したのが、平成12年5月のことです。地元稔台では直ちに「稔台地区オウム対策委員会」を結成し、オウム即時退去の運動を開始しました。平成12年6月4日には住民総決起大会を開催し、地域住民1000名以上が参加する中「オウム即時退去の決議」がなされ、決議文を直ちにオウム代表者につきつけ回答を迫りました。しかし、法的な根拠を全て整えているオウム信者は簡単に出て行く気配もなく、長期戦を覚悟した地元では、工場の活動を監視する監視所の設置や、反対看板の張り出し、反対ビラの配布、地域住民による監視活動の実施など延べ約2000名の方々が参加し、反対運動を展開しました。
対策委員会では、ただ反対を唱えるだけでは話が進まないとの判断から、地域住民代表とオウムとの直接交渉を始めることになり、この時期より10数回の直接交渉を実施し、平成13年9月14日にオウム側と地元住民との間で、「オウム側は5年契約の賃貸借契約を3年に短縮し、工場を閉鎖、退去する。住民側はその期間短縮に伴う損失分や現状復帰費用として約1200万円を支払う。」旨の協定書を取り交わすに至りました。
また、その支払い費用の捻出にあたっては、松戸市民全体の暖かいご支援により、募金活動という形で集められ、半年間でその目標である1200万円を達成できたことは、松戸市民の皆様のオウム問題への関心の高さを示すとともに、地域住民の情熱が多くの方々からの賛同を受けたものと考えております。
いずれにしても、稔台地区におけるオウム問題につきましては、住民代表がオウム側と直接交渉した上で独自の協定書を交わし、その資金準備にあたっては市民全体による募金活動によって捻出し、市民主導型でのオウム完全退去を実行することは、ある意味で画期的な事象であると認識されます。
そして、さる平成15年3月20日、交わされた協定書の通り、全てのオウム信者が退去し、機械設備も撤去されました。当日は地元対策委員をはじめ、行政、警察、地元住民が見守る中、オウム側は上裕代表、荒木広報部長などが参加し、協定書に相互に署名を行い、和解金の支払いを済ませ、その日のうちにオウム信者は退去を完了しました。
昨今のニュースや報道を見ますと、全国の自治体での訴訟に関し、ほとんどの自治体が敗訴という結果になっており、稔台方式でのオウム対策があらためて見直されることになるのではないでしょうか。 |