7月29日「天下分け目の・・・」といわれた、参議院議員選挙が実施され、皆様ご承知の通りの結果となりました。ほんの2年前「小泉改革」の名の下に、自民党が衆議院選挙で大勝し、絶対多数である三分の二を獲得しました。そして今回の参議院選挙では自民党の歴史的敗北という結果に終わりました。様々な要因が考えられますが、曰く「年金問題」曰く「政治と金の問題」「閣僚の不祥事」・・・ しかしながら、小泉前首相と安倍首相は改革路線の推進・継承という基本的に同じ姿勢でありながら、なぜこんなにも結果に差が生じるのでしょうか。小泉前首相のパフォーマンスの上手さと安倍首相の地味さとの違いはあるにしても、やはりメディアの影響が非常に大きいのではないかと考えてしまうのは私だけでしょうか。社会保険庁のテイタラクや閣僚の無能・無策への批判は当然としても、その挙げ足ばかりを取って、肝心要の政策論争の本質を取り上げない報道の姿勢には正直興醒めです。郵政改革の小泉自民党に一票を投じた人達と、今回民主党の躍進に一役かった人達は多分同じ人達ではないかと私なりに推測いたしますが、この流れがメディアの誘導であったとすれば、それはまた恐ろしい気がしてなりません。
さて、本年6月からの給料明細を見られて、住民税(市・県民税)が上がっていることに驚いた方が多いのではないでしょうか。私もその一人でありますが、国の説明によれば所得税減税を実施する代わりに、住民税にその分を振り替え、その差額はプラス・マイナスで0になる計算だということです。さらに時限措置であった定率減税を廃止し、本税に戻すことが重なったたことで、税金が増えたので増税ではないと説明しております。しかし、現実に手取りが減少する市民の皆様には納得がいかない気がすることは間違いありません。国政選挙が間近に迫った時期に、このような税制改正を実施する与党の真意が私には理解できませんが、このことも選挙結果に少なからず反映したことは想像できます。
ところで、今回の改正はいわゆる「三位一体の改革」の一環であることは皆様ご承知の通りです。「三位一体の改革」は小泉改革の目玉商品である「官から民へ」「国から地方へ」を具現化する政策の一つであり、地方分権推進のための財政的裏づけに関するものです。@ 国庫支出金を減らす A 地方交付税の見直し B 税源を地方に移譲する、この3つを同時に実施することで地方分権を進めるとしたもので、その一環として所得税から個人住民税への税源を移譲したことが今回の税制改正です。税金を負担する個人としては、税負担が結果的に増加することになりますが、地方自治体にとっては別の効果があります。 各地方自治体では、自主財源(市民税や固定資産税など地方公共団体独自が徴収する財源)と依存財源(国・県などから交付される支出金や地方交付税)があり、自主財源が多いほどその自由度が増し、地方自治体独自の政策や行政活動が可能となります。国庫支出金や交付税には教育・福祉・医療などその目的以外には使えないいわゆる「ひも付き」の財源が多くあります。個人住民税への税源移譲によって、地方自治体の自主財源が増加し、結果的に地方自治体独自の政策を実行することができるようになるわけです。このような政策によって地方の自立を推進していくことが「地方分権」の一つの形となっているのです。
しかしながら、財源が国からのものであろうと、市町村独自のものであろうと、その財源が住民のために有効に活用されなければ、意味を成さないことは周知の事実です。地方分権に対しては、「地方公共団体の財政健全化に関する法律」や今話題の「ふるさと納税」「道州制の導入」などさらなる法律の改正や、連結決算ベースの「公会計改革」など地方公共団体の説明責任の厳格化が求められております。私も地方議員の端くれとして真摯な態度で議員活動を進めてまいりたいと思います。
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